徳永・松崎・斉藤法律事務所

法廷百景
民事裁判のIT化の現状

2024年04月03日更新

恩穗井 達也 弁護士

  1.  民事裁判のIT化
    令和4年(2022年)5月18日に成立した民事訴訟法の改正により民事訴訟手続のIT化が定められました。改正法の内容は多岐にわたっており,順次,施行されていますが,私自身も,現在どこまで施行がされているのかを良く分かっていなかったため,今回,現状を整理してみました。
  2.  現在施行されている(近日中に施行される)IT化の内容
    この原稿を執筆している時点で施行済みのものは,当事者双方がウェブ会議・電話会議を利用して弁論準備手続期日・和解期日に参加できる仕組みです。また,令和6年(2024年)3月1日からは,口頭弁論期日についてもウェブ会議・電話会議を利用して参加することができるようになります。弁論準備手続におけるウェブ会議の利用は最早一般的になりつつあり,私自身も戸惑うことは少なくなってきました(裁判のIT化と関係なくウェブ会議に利用されているMicrosoft Teamsの操作に習熟していないせいで戸惑うことは多々ありますが)。もうすぐ口頭弁論にも利用が拡大しますが,口頭弁論が公開の法廷で開始されることは変わりなく,法廷にモニターを設置するなどしてウェブ会議によって参加している当事者の様子が傍聴席からも見えるようになるとのことです。どのような光景になるのか,あまり具体的なイメージがわかないので,機会があれば傍聴席から見てみたいと個人的に思っています。
    また,準備書面,証拠説明書,書証の写し等の裁判書類をオンラインで提出することも可能となっています。「mints」という民事裁判書類電子提出システムを利用するのですが(当事者双方が同意した場合に利用されます),個人的にはまだ全く慣れておらず,おそるおそる提出(アップロード?)したり,受領(ダウンロード?)したりしております。きっといずれは慣れて自由自在に使いこなせるのかもしれませんが,未だ,時おり操作マニュアルを確認しながら悪戦苦闘しています。
  3.  今後に予定されているIT化の内容
    今後は,訴えの提起・申立て,裁判所からの送達の受領等のオンライン化,裁判所の事件記録の電子化(当事者等はオンラインでの事件記録の閲覧等が可能となる)が,令和8年(2026年)5月までに施行される見込みです。これにより,事案にもよりますが,最初(訴えの提起)から最後(判決の送達)まで,オンラインで完結することも可能となります。
  4.  以上は民事訴訟について述べましたが,訴訟以外の民事関連手続(民事執行,倒産手続,家事事件)なども順次IT化が進められています。IT化により手続面では便利になっていると思いますが,使いこなしていくための努力も必要になってきます。乗り遅れないよう,日々,精進していきたいと思います。

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